
世間一般には経済的に安定している医師がバイトなんてするの?と思われるかもしれません。
しかし、現実的にバイトをしている医師は多くいます。
なぜ医師がバイトをするのか?どんなバイトがあるのか?
その実態についてご説明します。
目次
何故医師がアルバイトをするのか?
身も蓋もない話をすれば「お金はあればあるほどいいから」となります。
しかし、それだけでの話でもないのです。
大学の医局に所属している勤務医の多くは自分自身で勤務先は選べません。
大学医局が指示する人事により異動することが多く、残念ながら給料の高い病院から低い病院へ異動になることもあります。
住民税などは前年度の所得によって計算されるため、急に手取りが昨年の8割となることもあります。いきなり困窮することはないと思いますが、税金に加えて学会や書籍(需要がないせいか基本高額)などで費用多くかかることもあり、余裕のある生活は難しくなることが予想されます。
その補填としてアルバイトをする医師が多くいるのです。
もっと切実な事情に直面しているのは大学院生です。
大学院生が大学で働く場合、大学からの給料は雀の涙(月10万あれば良い方)しかでないことが多いです。
大学院の授業料を払ったら赤字になります。
下記は実際に大学院時代の私のとある月の給料明細です。
(ちなみに実際の労働時間はこんなに短くないですよ〜)
大学院生は生活のためにアルバイトをせざるを得ないのです。
医師のアルバイト どんな種類があるの?
一般的なアルバイト(専門科を問われないもの)としては
- 外来(自身の専門科がほとんど)
- 当直
- 健康診断
- 透析
- 予防接種
- イベント(スポーツやライブなど)の会場Dr.
です。
ちなみに私は上記の中で透析以外の経験があります。
なお、プロスポーツの会場Dr.を羨ましがる同僚もいましたが、選手などを診るのではなく、会場の観客の体調不良などに対応するためのバイトのため、ほとんどスタジアムの裏を走り回っており、試合はほとんど観れませんでした。
なお、特殊なバイトとしては美容系のカウンセリングや科は限られますが麻酔管理や手術などがあります。
またその働き方によっても種類があります。
- 非常勤(月や週の決まった曜日・回数を勤務)
- スポット(単発での仕事)
この2種類となります。
非常勤の代表的なバイトは平日の外来バイトです。
大学院生の多くはこのバイトで生計を立てています。
一方、土日の外来や健康診断、当直、予防接種、イベントなどはスポットのバイトが多いです。
医師のアルバイト 時給はどれくらい?
ここで示す金額はあくまで目安です。
外来(特に専門科)は時給10000〜15000円
当直(夕方〜翌日朝)1回の金額は
- 病棟管理のみ(ほとんどする事がない寝当直)で30000〜50000円
- 輪番当直で50000〜100000円(入院1人5000円などのインセンティブがある事も)
健康診断や予防接種は時給5000〜10000円
イベント会場Dr.は1回 20000〜50000円
透析管理は時給10000〜15000円
麻酔科の場合は麻酔管理料の8割が報酬など歩合性になっている事が多いです。
また手術もするバイトの場合は技術料によって変化したり、執刀医の立場(教授などは高額になりがち)によって1件の値段が決まっていたりなどまちまちです。
一般的なアルバイトとは桁が一つは違うバイト代となっています。
なお、通常の勤務医の給与は(時給換算で)こんなに高水準ではありません。
そのため、最近では勤務医として特定の病院に務めるのではなく、アルバイトのみで生活している医師もいます。
医師のアルバイト どうやって探している?
ここからは若手の医師が気になるところでしょう。
都心とは違い、地方都市では医局の影響力はまだまだ強いのが現状です。
その影響もあり地方で条件の良いアルバイトは大学医局が管理している事が多いです。
これは大学院生の生活を保証するために大学医局が関連病院と交渉した成果でもあるため、医局が悪どいわけではありません。
では大学に所属(大学病院スタッフや大学院生)以外の医師はどのようにアルバイトを探しているのか?
方法の一つとして懇意にしている開業医の先生と交渉して働かしてもらうという方法もありますが、これは中堅以降でないとなかなか難しいです。
そのため使うのがアルバイト求人サイトです。
大学生時代にタウンワークを見ていたのと同じようなものです。
・スポットのバイトを探すのであれば
がオススメです。
・非常勤のアルバイトを探すのであれば
がオススメです。
このサイトが特に1番良いとかはなく、各サイトで案件が異なる場合があるため、良い条件のバイトを逃さないよう複数登録することをオススメします。またサイトごとに非公開求人などもあり、サイトに登録していれば非公開のものがメールで案内してもらえます。
特にスポットバイトを探す場合は仕事を探す速さと情報量の多さが鍵となるため、スポットでのアルバイトをお探しの人は最低でも3つくらいはサイトへの登録をお勧めします。
まとめ
今回は医師のアルバイト事情について書いてみました。
手間や時間を考えると収入を増やしたい医師の多くがアルバイトをする理由がお分かり頂けたかと思います。
ただ、勤務医の場合はいくら時給が良いとはいえ、通常業務に支障がない範囲で行う事が望ましいですね。