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ゆるドクの戯言

医療は聖職業かサービス業か?

記事を作成した2021年は2020年に引き続きコロナウイルスが猛威を振るっています。

コロナウイルスに対応するために日々医療従事者が頑張っている状況を見てふと思い出した言葉があります。

「医療は聖職業かサービス業か?」

実はこれ、私が大学受験の際に討論で出された議題です。

当時は討論で発言するのに必死だったため、深く考えませんでしたが今回のコロナウイルスを経験して再考してみました。

 

 

聖職業とは?

聖職業とは

「神聖な職務。キリスト教で聖務に献身する者。僧侶・神官・司祭・牧師。」

By 広辞苑

医療は宗教ではありません。

なので「医療≠聖職業」です。

つまり、この討論において聖職業とサービス業の2択しかないのであればサービス業が正解となるわけです。

 

医療はサービス業なのか?

サービス業とは

農林水産業の第1次産業,製造・建築等の第2次産業以外の第3次産業のこと

第3次産業とはサービス,すなわち物のように手にとったり触れたりできない対象を提供する産業のことです。

患者という「客」に対して医療という「商品」を提供する仕事と考えれば確かにサービス業と言えるでしょう。

(聖職業もサービス業では?というツッコミは無しでお願いします。)

以上より「医療=サービス業」というのがこの議題の結論と考えます。

 

何故このような議題が出されたか?

上記のように言葉の意味(広辞苑)だけでいえば医療は「サービス業」なのです。

では、何故このような議題があがるのでしょうか?

2つの理由が影響していると考えます。

医療はエッセンシャルワーク

2020年から続くコロナウイルスで飲食業や遊技場に休業要請が出ても病院に休業要請が出る事はありません。

むしろ外出自粛が要請されている時期にも感染リスクを負いながら社会生活を維持するために医療従事者は働かなければなりません。

医療とはエッセンシャル・ワークであり、医療従事者はエッセンシャル・ワーカーなのです。

エッセンシャル・ワーカーについてはこちらに詳しく解説されているので参照ください。

さらに言えばサービス業とは提供する商品を事業主が決めることができるはずであり、病院がコロナを受け入れるかどうかは事業主である病院長が判断する者です。

実際、2020年10月のデータでは下記のような状況となっており、民間病院のコロナ受け入れが突出して低いことが解ります。

厚生労働省の資料より抜粋

これはコロナを受け入れることによる経営へのデメリットが大きいからと考えられます。

(施設設備的に受け入れが難しいのも多大な影響があります)

しかし2021年1月時点で病床が不足しつつある中、「病院のコロナ受け入れの義務化」などを訴える人が出てきており、メディアもそれに同調する雰囲気が徐々に拡がっています。

そのため、経営的にはコロナを受け入れたりはしたくないものの、世相により不利益を覚悟でコロナを受け入れなければならない時が来るかもしれません。

医療はサービス業であると同時にエッセンシャル・ワークとしての側面も持つため、完全なサービス業とは言えないのでしょう。

応召義務がある

もう一つの理由が応召義務(おうしょうぎむ)です。

応召義務とは、

日本の医師法及び歯科医師法において「医師・歯科医師の職にある者が診療行為を求められたときに、正当な理由が無い限りこれを拒んではならない」

とする法令で定められた義務のことです。

過去には応召義務を知っていて夜中に電話で「朝から腰が痛いから今すぐ診て欲しい」という患者もいました。(昼に受診しない理由は病院で待つのが嫌だからなどという強者もいました。)

サービス業ではどのようなサービスを提供するかは事業主の判断になるはずですが、患者という「客」が「無茶な要望」をした場合でも対応しなければ法律違反となるため、やはり完全にサービス業とは言えなかったのでしょう。

ただ、この法律は2019年に改正されました。

  • 労働法令に違反してまで診療しなくて良い
  • 緊急性がなければ診療時間外の患者を断るのは「正当」
  • 支払い能力があるにも関わらず、医療費を支払わない場合は診療を断って良い
  • 外国人などで言語が通じず診療が著しく難しい場合も断って良い

など患者の緊急性が最優先ではあるものの、診療を断っても応召義務違反にならないようになっています。

 

結論は?

まず、医療は宗教ではないため「聖職業ではないことは確定」です。

これは問題を出す側が言葉を正確に理解していなかったミスでしょう。

私の結論は「医療はサービス業」です。

もちろん、上記に示したように完全なるサービス業とは言えないでしょうが、サービス業の面を持っていることは間違いありません。ちょっと特殊なサービス業くらいに考えるのが正解なのでしょう。

今回、コロナにより医療従事者の負担が大きくなってます。医師や看護師の配置を国がコントロールできないのか?など医療従事者を公務員のようにメディアで扱っているのをみて、ふと大学受験時の討論が思い出されたので再考してみました。

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  • この記事を書いた人

ゆるドク

2018年に整形外科専門医となる。 現在は地方都市で勤務医として働いている30代、二児の父ちゃんです。 ゆるく生きる事を目標に毎日の仕事をしつつブログを作成しています。 『目指せゆるドク!!』

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