(左胸郭出口症候群の場合)
全身麻酔下に患者を右側臥位とし、手術を開始。左ADM、APBに針電極を装着し、Br(E)-MsEPにてmonitoringを施行した。さらに中指に滅菌されたSATモニターを装着(コード部分はエコーカバーを使用)した。
レントゲンにて肋骨の位置を確認した上で腋窩線より1横指下に6cmの皮切を加え、皮下を展開。まず、鎖骨下動静脈および腕神経叢を確認し、これを中枢側にRetractして第2肋骨を確認。レントゲンにて第2肋骨で間違いないことを確認。胸壁に沿って中枢側を展開し、鎖骨下動脈から分岐する最上胸動脈を同定した。これを前方にRetractすると第1肋骨が露出した。(結紮、切離することもあり)第1肋骨に付着する前斜角筋をペアンにて把持し、鎖骨下からエコーを当て、第1肋骨であることを再度確認。第1肋骨に付着する前斜角筋および中斜角筋を切離し、第1肋骨の前方を露出した。コブ小と骨膜剥離・曲がりの強い神経ヘラを用いて第1肋骨を全周性に剥離した。
肋骨剪刀にて肋骨の前方を切離し、そこから後方にかけてリュエルを用いてpeace by peaceに肋骨を切除した。
創部に生理食塩水を溜めた状態で陽圧換気を行い、AirのLeakがない事を確認。創部を十分に洗浄し、ドレーンを1本留置してIn-layerに閉創を行い、手術を終了した。
なお、手術は左上肢を90度外転した状態での操作は10分とし、インターバル5分で行なった。(手術操作5分-10分、インターバル3-5分が目安)
術中操作中にSATにてSpO2 92%以下となった時点でも即座にインターバルをとった。
術中のモニタリングではADM、APBの電位の低下は認めなかった。
手術動画
長めhttps://www.youtube.com/watch?v=HP56j-2vkSw&t=381s
短めhttps://www.youtube.com/watch?v=RkFW3cjUHyQ

コブ小と骨膜剥離・曲がりの強い神経ヘラを用いて第1肋骨を全周性に剥離

リュエルを用いて肋骨を切除

肋骨切除後