【C5/6椎間板ヘルニアに対しての手術】
全身麻酔下に患者を仰臥位とし,頭部と頚部に枕を追加し,頭部を前方に突き出した状態で頚椎を伸展させた.
(体位は術者の好みもあります.頭部を左に軽度回旋する術者もいます.)
術前にイメージ下にC5/6高位を確認した.また針電極をdeltoid, biceps, triceps,ADM,TA,AHに設置し,Br(E)-MsEPにてmonitoringを施行し,手術を開始とした.
まず皮膚皺壁に沿った横切開を頸部の左に加え,広頚筋を横切開した.胸鎖乳突筋を確認し,その内側で深頸筋膜を切開し,胸鎖乳突筋を外側にRetractした.喉頭の帯状筋群と共に気管・食道を内側へRetractし,頸長筋・頸筋膜椎前葉を露出し,それに覆われた椎体を露出した.頸長筋およびALLを電気メスにて縦切開し,ツッペルガーゼにて骨膜下に剥離し,Luschka関節を露出した.
頸長筋を骨膜下に外側にRetractした状態でC5.6椎体にPin retractを刺入し,椎間を拡大した.C5/6椎間板を鋭匙と髄核鉗子を用いて掻爬・除去した.Air tomeにてC5椎体下縁後方およびC6椎体上縁後方の骨棘を削り取った.腸骨から自家骨を採取し、それをStryker Anchor C Cervical Cage(●mm×●°)に充填してC5/6椎間に移植した.イメージ下にCageが椎体中央に位置し,挿入深度も問題ないことを確認した上でScrew(C5;●mm,C6;●mm 大体10-12mm前後)を刺入し,固定した.固定性は良好であった.
創部を十分に洗浄し,椎体前方にドレーンを1本留置した.
広頚筋を縫合し,皮下縫合を行なった.表皮は3Mテープのみとした.
術中のmonitoringでは電位の低下,潜時の延長は認められなかった.
以下、術中写真(左が中枢.C5/6 ACDF.)