目次
著者プロフィール
KENTA NAGAKURA(長倉顕太)
フリーパブリッシャー
マーケティングコンサルタント。ベストセラー作家から上場企業まで手がける。著者に『親は100%間違っている』(光文社)、『超一流の二流をめざせ!』(サンマーク出版)など多数。
1973年東京生まれ、学習院大学卒。28歳のときに出版社に拾われ、編集者としてベストセラーを連発。その後、10年間で手がけた書籍は1000万部以上に。現在は独立し、サンフランシスコと東京を拠点に、コンテンツ(書籍、電子書籍、オウンドメディア)のプロデュースおよび、これらを活用したマーケティングを個人や企業にコンサルティングのほか、教育事業(若者コミュニティ運営、インターナショナルスクール事業、人財育成会社経営)に携わる。
導入は面白い
「人生は楽しいもの・・・であるはずがない」
というなかなか強烈なメッセージからスタートします。
また所々で出てくるのが「願えば叶うは嘘、願っても叶わない」という内容です。
筆者は元編集者であり自己啓発本なども出版されているようですが、そういった類の本で好まれるメッセージは嫌いなようです。
また筆者は自分のことを「凡人」であると断言しています。
自分が何者であるかを決めるのは周りの環境であると筆者は考えています。
幼いころに周りから「大人しい子」と言われれば「大人しい人」になるといった具合に「キャラクターを作られてしまえばそのようになってしまう」との解釈されています。
逆に言えば周りの環境さえ変えれば自分も変わるということであり、今の自分に納得行かないなら自分の環境を変え、新たな自分をキャラクタライズしようといった導入になります。
本書を買うような人は「本がなかなか読めない人」なので自分は「本を読む人だ!」と言い聞かせ、本を持ち歩くようにするといった具合にキャラクターを作りましょう。
読書量≒収入?? その意図とは。
現在は情報社会であるため、「情報量≒稼ぐ力」と述べています。情報はどこかでInputする必要があります。その手段として読書を挙げられています。読書をすることで知識量を増やし、自分の世界を拡げることで自分の選択肢を広げることが収入を上げることに繋がるとの考えです。
筆者は「同程度の知識レベルがないと対等なコミュニケーションは取れない」と考えており、より収入の高い人・能力の高い人と対等なコミュニケーションを取るためには「知識を増やす=読書」が必要と考えておられます。
モテる読書術とは
では具体的にモテる読書術というのはどういった方法か。主には下記の3つになります。
検索
本を読む前にネットでその本を検索し、あらすじを読む。
なの、一人の意見だとバイアスがかかるので最低でも10サイトは見てから本を読むことがいい。
まさに今あなたがされていることですね。
本を読むのにあらかじめストーリーを把握することはスピードを上げるだけでなく、理解力も上がるのでこれはいい方法だと思います。
早く読む
とにかく早く読む。最低1日1冊は読むべし。
ただし、要点だけを抑えるような速読ではなく、ただ単に早く読むという方法のようです。
要点把握は検索の時点で行っているので検索後には読む速度は上がっているはずですから可能ではあると考えます。
メモをする
とにかく知らない単語、地名など理解できないことがあればメモをする。
メモを取っておき、その後で調べることにより、より理解が深まることが期待されます。また知らない地名や料理などを調べるとその場所を訪れてみたくなったり、食べてみたくなったりしますよね?これは実際に本で得た知識を自分の体験に落とし込むことになるので後述される「ストリートスマート」にも繋がることだと思います。
実際に「モテる」とは?
本を通して「モテる」ということは単に異性にモテるだけでなく、「人間関係が広くいろいろな人と関わりを持てること」と解釈されています。
そのためには人脈を広げる必要がありますが、その方法として3つ挙げられています。
リスクをとる
リスクをとる=危ないことをするのではなく、「挑戦をする」ということです。
挑戦する人はやはり応援されます。
筆者は無酸素でのエベレスト登頂を試みた栗城史多を例に挙げられていましたが、例えば中田英寿選手や野茂英雄選手は日本から出る時に批判もありましたがそれ以上に応援する声も大きかった印象が残っています。
挑戦をしていない、安全なところでボーッとしている人を応援する人なんていませんよね?
自分を応援してくれるような人が出てくれるように自分も挑戦しましょう。
ギブする。ひたすらにギブをする。
人脈を広げようとするならやはり人を紹介をしてもらう必要があります。
その為にはTakeではなくGiveをしようということです。
takeばっかりで自分に利益をもたらさないような人を紹介する人がいるでしょうか?私ならそんな人はその人の不利益になるような人か誰かに押し付ける為に紹介するかのどちらかで、その人の利益になるような人を紹介することはないでしょう。性格が悪いと言われるかもしれませんが・・・
紹介をしてもらう為には相手の利益になるように行動をしましょう。
情報発信は必要
紹介される為にも自分がどんな人間か分からなければ紹介のしようがありません。
なので情報発信はしましょう。
その中では「どこで」「誰と」いたのかがその人の信頼性を上げるのに重要な要素になります。
ただし、芸能人やセミナー講師などお金を払えば来てくれるような人との情報は逆に信頼性を下げるので気を付けましょう。
また万人受けするような情報発信は誰の関心も引かないので自分の好き嫌いははっきりさせて発信することを勧めています。
ストリートスマートとは
本書で一番述べたいことは「ストリートスマート」になれということです。
一般的にブックスマートとは「本を読んで賢くなった人」、アカデミックスマートとは「勉強をして賢くなった人」という意味です。
それに対して、ストリートスマートは「実践(実戦)で賢くなった人」のことを意味します。
筆者の思うストリートスマートとはその場その場で臨機応変に対応し結果を出すことです。
何が起こるか分からない時代にあらゆる準備をしてもあまり意味がないということ。
準備をするなら何が来ても大丈夫な「自分」の準備をしておこうということです。
その為には「勝負感」「直感」「瞬発力」をつけておきましょう。
結局、どんな本を読めばいいの?
本書を通して読んだ方がいい本というのは「近現代文学」が読解力を高めるのにいいということのみであり、「この本を読めばいいよ」という内容はありません。
筆者もそれは答えないとあとがきで述べています。
どの本を読むのかは自分がどうなりたいか、どんなキャラクターを設定するかによっても変わってくるのでそれすら人に頼っているようでは自分を変えることは難しいのでしょうね。
ゆるドクの感想
読書術より人生論といった内容の本でした。
自己啓発本やスピリチュアルな内容は嫌いなようでしたが、随所にそういった内容が出てきます。
また自分を変える方法として周りの環境の変化を挙げているのにSNSで自分の好きなものを挙げていると自分と価値観が似ている人とのつながりができるなど矛盾も抱えた内容だなと感じました。
あと、筆者は自分のことを凡人と評していますが、自分が大好きで「自分の人生に間違いなど一度もなかった!」という印象を受けました。
ただ、実際に自分を大きく変える具体的な方法も書いてありますので自分の人生に納得いっていない人は一読する価値はあります。