画像はZimmer Biomet社 手術手技書より引用させていただきました。
リーミング、トライアルの大きさは術前計画にて調整してください。また使用したスクリューは実測値を使用しています。
患者を全身麻酔・斜角筋間ブロック下に20度程度のBeach chair positionとし肩甲骨を起こすために背中に1枚の中圧枕を入れ手術開始した。
derto-pectral approachで展開を開始。皮切は烏口突起から腋窩まで、三角筋大胸筋溝に沿って15cm程度の皮切を置いた。皮下組織を剥離し、三角筋大胸筋溝上の橈側皮静脈を同定し、筋鉤で損傷しないように内側へレトラクトした。
鈍的に三角筋大胸筋溝を開くと鎖骨胸筋筋膜を確認できた。共同腱を筋鉤で内側によけた。上腕二頭筋長頭腱を切離し、サージロンを2針で結節間溝に縫合した。肩甲下筋は2-0エチボンドを6本 stay sutureし付着部から電気メスをもちいて切離した。神経に注意しながら癒着している関節包を上腕骨頭から剥離しレトラクターを用いて、関節窩を確認。付着している関節包や関節唇を電気メスなどで切除し、関節窩全体が露出できることを確認した。
まず上腕骨の処置を行うこととした。
上腕骨頭に骨軸延長上でリーマーを挿入し、リーミングを行った。φ〇〇mmの太さまでリーミングを行い、ガイドをあてボーンソーにて骨頭を解剖頚の3㎜下方にて切除した。後捻角を20度になるように設定し、φ〇〇mmのトライアルミニステムを挿入した。
つづいて肩甲骨の処置に戻った。
ノミ、鋭匙を用いて関節面の軟骨を除去し、25㎜グレノイドハンドルを用いて関節窩の中心よりやや下方から10度下方傾斜がつくようにスタイマンピンを挿入した。ガイドを用いてグレノイドベースプレートリーマを用いてグレノイド下側の海綿骨が認められるまでリーミングを行った。
グレノイドサーフェイスプレーナーにて周囲の軟部組織を除去し、ベースプレートトライアルにてしっかりグレノイド面と設置することを確認した。グレノイドベースプレート25mmを挿入し、φ6.5mmセントラルスクリュー〇〇mmにて圧着させ、上下を4.75mmロッキングスクリュー20mmずつ、前後を4.75mmロッキングスクリュー15mm、20mmで固定し良好な固定性が得られていることを確認した。(前が短くなりがち)
ここでφ〇〇mmグレノスフィアヘッドのトライアルを挿入し、イメージ下にクレノイドスフィアのオフセットの位置を確認した。
この時点で関節内を十分に洗浄したのちにトライアルにて設定したオフセットになるように調整した〇〇mmグレノイドスフィアヘッドを挿入した。
上腕骨側にヒューメラルトレイ〇〇㎜ STDのトライアルを挿入し、脱臼を整復。イメージ下に不安定性がないことを確認した。
上腕骨小結節部にサージロンをループで通し、後に肩甲下筋の修復を行えるようにした。上腕骨骨髄内を十分に洗浄したのち、φ〇〇mmの上腕骨ミニステム、ヒューメラルトレイ〇〇㎜ STDを挿入し、脱臼を整復した。
イメージ下に良好な安定性が得られていることを確認した。上腕骨小結節部にループで通していたサージロンに肩甲下筋に通していたエチボンドを通し、サージロンを引き抜くことでエチボンドを上腕骨に通し、これを縫合、肩甲下筋を修復した。
創を十分な生食で洗浄し、マルチチャネルドレーンを関節内に留置、in-layersに閉創した。
<インプラント>
BIOMET
・グレノイドベースプレート専用アダプター 25mm ・セントラルスクリュー径6.5mm 〇〇mm
・ロッキングスクリュー径4.75㎜ 15㎜×1本 20㎜×3本
・ミニステムφ〇〇㎜
・グレノスフィアヘッド 〇〇㎜スタンダード
・ヒューメラルトレイ〇〇 ㎜
・ヒューメラルベアリング +0mm