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手術記録テンプレート:キアリ奇形・脊髄空洞症〜大後頭孔拡大術+硬膜形成術

全身麻酔下にMayfieldにて頭部固定し、Hall frame上に腹臥位とした。また表面電極をdeltoid, biceps, triceps,ADM,TA,AHに設置し,Br(E)-MsEPにてmonitoringを施行した状態で手術を開始した。

外後頭隆起からC2棘突起直上に皮切を加え,項靱帯を正中で切開し,後頭骨およびC1後弓とC2棘突起上縁を露出した。顕微鏡下にC1後弓を電気メスとツッペル,神経ヘラを用いて椎骨動脈に注意しながら外側まで展開し,30mm幅にて切除した。(左片開きの要領で後弓を持ち上げ、ヒンジ側も切除し、後弓を外した)

続いて後頭骨の処置を開始。

後頭骨の切除範囲を幅40mm,縦30mmとし,Air tomeにて切除した。こちらも中枢側を少し残した状態で持ち上げるようにして切除した。後頭骨と硬膜は癒着していたが硬膜の損傷なしに剥離可能であった。Epidural bandは高度に肥厚しており,血管増生を著明に認めた。この時点でechoを用いて脳脊髄液の灌流を確認するとEpidural bandでの硬膜管の圧迫を認めた。Epidural bandを硬膜外側と剥離し,縦に切離した。硬膜外層を鑷子で持ち上げながら縦に切開を入れ,鈍棒とマイクロヘラを用いて硬膜とくも膜の間を剥離。この時点で再度echoで脳脊髄液の灌流を確認したところ,小脳扁桃の背側および脊髄背側にSASを認め,拍動も良好であった。

開いた硬膜のサイズに人工硬膜(ゴアテックス®︎)を形成し、6-0ナイロンにて縫合硬膜を形成した。

縫合した部位にはネオベール,ベリプラストを3層にてして保護した。

創部を十分に洗浄し、創部にドレーンを1本留置、in-layerに閉創した。

術後、上下肢の運動に問題はなかった。

また術中のmonitoringでは明らかな電位の低下は認めなかった。

 

下記は術中写真

後頭骨とC1後弓を露出した状態

後頭骨を外し、C1後弓も外した状態。硬膜(外層)を切開した状態。 外層切除だけでEcho上、脊髄背側にSASが見えれば外層切除のみで終わることもあります。

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  • この記事を書いた人

脊本 侑(ゆるドク)

アラフォー勤務医
医学博士 ❘ 整形外科専門医
脊椎脊髄指導医 ❘ 脊椎脊髄病医 ❘ 難病指定医
医療ライター ❘ Webディレクター
オンライン美容皮膚科にも勤務
広島東洋カープファン
『ゆるく生きる』がモットー
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