T5-8高位の骨化症の場合(後方除圧固定術)
全身麻酔下にてMayfieldにて頭部固定し,針電極をADM,quadri,TA,gastro,AH,Analに設置し,Br(E)-MsEPにてmonitoringを施行。まず,仰臥位の状態で200mAにて刺激を行い,コントロール波形をとった。患者をHall frame上に腹臥位とし,再度刺激を行い波形の変化がないことを確認。手術を開始した。
術前に刺入したT7棘突起のmarkをmerkmalにT2-T10棘突起上にca.40cmの正中縦切開を取った。皮下を展開し,T2-T10椎弓からPVMを剥離,椎弓を露出した。イメージにて椎弓根の位置を確認し,T2-4,6,8-10にPedicle screwを施入した。後弯予防に右側のScrewに対し,240mm(長さは手術により変更)のRodをベンディングして設置した。Rodはカンチレバーで胸椎の後弯を矯正するようにした。
続いてT3-9棘突起をリストン鉗子にて切除し,T5/6/7/8椎弓をAir tomeを用いて切除し,黄色靭帯を露出し,硬膜との癒着を剥離したのちに切除した。Echoにて確認し,除圧が良好であることを確認した。T5/6.6/7.7/8の椎間関節軟骨をノミを用いて切除し,さらにT2-10の椎弓をAir tomeにてDecorticationした。
左側のScrewにもRodを後弯を矯正するようにベンディングし,設置した。創部を抗生剤入り生食にて十分に洗浄した。切除した棘突起をボーンチップ状にしたものとGrafton®︎5gをT2-4およびT9-10の椎弓およびT5/6.6/7.7/8の椎間関節に移植した。T7(その時の手術で適当な位置でよい)椎弓の高位で1本のクロスリンクを設置した。
創部を生食で十分に洗浄し,硬膜外腔に1本drainを留置後,in-layerに閉創,手術を終了した。
術中monitoringでは電位の低下は認められず、術後の下肢の運動も問題なかった。